2017/01/05

★適菜収「安倍でもわかる政治思想入門」

正月2日、福袋の興奮冷めやらぬエクセル(水戸駅)をブラブラしてた。福袋がなくなってもセールが続いていた。普段は静かな店内だが、若い女性店員の呼び込みの、やや掠れた黄色い声がこだましていた。いわゆるファッション衣類には、私はあまり関心がないので、5階の川又書店へ。宮台真司の「正義から享楽へ-映画は近代の幻を暴く-」を買おうと思ったが、売れているせいかどこにもなかった。映画書評のコーナーだったかなと探しつつ、社会学のコーナーに行ってみたら目に入ったのが、適菜収の「安倍でもわかる政治思想入門」だった。



氏のツイッターやYahoo!の記事を何度か見かけたことがあり、なかなか面白いと思っていたので、少し立ち読みして購入を決めた。(生の書店のいいところはここだ。)



政治思想の入門書とあるが、論考の切り口は、安倍晋三のトンデモな発言からである。安倍の問題発言を分析して、その背景にある誤った知識・認識を炙り出し、わかりやすく政治思想を解説するという手法をとっている。



私は2012年から VIDEONEWS.COM を視聴している。この番組では、安倍晋三のスピーチや国会答弁での言行を監視していて、何度も話題にしている。また自分でも安倍の国会答弁について某雑誌に批判文を投稿(実際に掲載)しているので、それなりに予備知識はあった。しかし、さすがに適菜収氏。一般向けで読みやすいけど、アカデミックな論の展開を踏まえ、安倍の問題発言をズバズバ切っている。



これがまた本当に笑える。抱腹絶倒間違いなし。…しかし、しばらくすると笑えなくなる。本書で「イカレポンチ」と酷評される安倍晋三が、どこの国の宰相であるかを考えると全く笑えなくなる。赤面を通り越して蒼くなる。本書に記された発言は2013年ごろからのものであることを考えると、こんな恐ろしい事態がもう4年近くも続いていることを改めて認識させるのである。米国のトランプショックに涌いている場合じゃない。トランプショックよりずっと以前に、日本では安倍ショックが続いているじゃないか。 それを続けさせているのは誰かといえば、主権者たる国民、つまりそれは私たちに他ならない。安倍を通して本当に炙り出されているのは、政権選択における私たち自身のいい加減さなのである。…ことは深刻だ。



 「本書の目的は、安倍個人をバカにしたり揶揄(やゆ)することではありません。たしかに安倍には基礎的な素養はないが、そこを指摘して溜飲を下げていても仕方がない。病んでいるのは、ああいうものを増長させたわれわれの社会です。」(本書まえがきより)


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