東京新聞でさえこの程度の認識なんだなあ。もっと書くべきことがあるだろう。批准して25年も経って今のザマかよ?と思わないかな。
ユニセフの会議で、日本は諸国の大使にさんざん突っ込まれてました。子どもの権利実現のために何を実行してきたのか。効果を測ったか。効果が不十分だったとしたら、その検証をしたか。その結果を受けて、今後子どもの権利実現のためにはどのような施策を計画しているのか。(私が視聴したときには、里親制度の拡充についての進捗状況をガンガン突っ込まれてました。様々な事情で親の保護を受けられない子どもには、同等の保護を受けて育つ権利があります。集団生活となる施設での養育では不十分なことが調査で分かっており、先進的な国では里親制度の拡充が行われました。)
日本の大使はもうタジタジです。子どもの権利の意味すら分かっていないから、実現について個別具体的なビジョンが全く描けないのですよ。ビジョンがないから施策も立てられない。しどろもどろで、結局は「いま啓発してます」「これからよく吟味して議論します」しか言えない。聞いた方としては「…え?まだ何もしてなかったの??」「やる気あんの?」って思いますわな。
つまるところ日本の人権感覚のなさに尽きるんですね。子どもの権利とは道徳的価値の問題だと思っている。道徳的価値の部分はあるけれど、大部分を占めるのは歴史的な反省なんですよ。多くの子どもたちが虐げられ苦しんだという歴史的事実があったから、それらを二度と繰り返させぬために4つの権利を打ち立てたんですよ。ですから、これは価値の問題ではない。(それが言い過ぎであるとするなら、少なくとも道徳的価値の議論はもう決着がついてるんです。)
権利条約を批准したということは、あとはその権利実現に向かって「何をどうするか」です。だからユニセフでの議論では「日本が何をどうしたのか?」「やってきたことに効果はあったのか?」「これからどうするのか?」と聞かれたんです。「子どもの権利についてどう考えているのか?」なんてこと、誰も聞いてません。そんな議論はとっくに終わっていることですから。
子どもの権利に関しては、日本は全くもって酷い状況です。選挙では全く争点にならないし、マスコミの取り上げもこの程度。人は資源ですよ。日本はこれから没落の一途をたどります。これは確実です。だからこそ、人を大切にしないと。それもお題目や祈りではなく、現状を変えるレベルで。でないと国どころか社会も持ちませんよ。
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