東京新聞によると、2018年の児相に寄せられた児童虐待相談件数は 159,850件(速報値)でした。前年度から26,072件も増加し、史上最多を更新しました。
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019080101001175.html
児童福祉士の配置数は、2018年4月1日現在で 3,426名(任用予定者含む)です。
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000349860.pdf
つまり、児童相談所における2018年度の児童福祉司1人当たりの児童虐待相談対応件数は、159,850 ÷ 3,426 ≒ 46.7件 になります。
これまでの推移を見てみますと…、下表のようになります。相談件数も児童福祉司配置数も増えていますが、対応が追い付いていない状況が変わりません。
児童虐待相談件数 | 児童福祉司配置数 | 1人あたり受持件数 | |
1999年度 | 11,631 | 1,230 | 9.5 |
2000年度 | 17,725 | 1,313 | 13.5 |
2001年度 | 23,274 | 1,480 | 15.7 |
2002年度 | 23,738 | 1,627 | 14.6 |
2003年度 | 26,569 | 1,733 | 15.3 |
2004年度 | 33,408 | 1,813 | 18.4 |
2005年度 | 34,472 | 1,989 | 17.3 |
2006年度 | 37,323 | 2,139 | 17.4 |
2007年度 | 40,639 | 2,263 | 18.0 |
2008年度 | 42,664 | 2,358 | 18.1 |
2009年度 | 44,211 | 2,428 | 18.2 |
2010年度 | 56,384 | 2,477 | 22.8 |
2011年度 | 59,919 | 2,606 | 23.0 |
2012年度 | 66,701 | 2,670 | 25.0 |
2013年度 | 73,802 | 2,771 | 26.6 |
2014年度 | 88,931 | 2,829 | 31.4 |
2015年度 | 103,260 | 2,934 | 35.2 |
2016年度 | 122,578 | 3,030 | 40.5 |
2017年度 | 133,778 | 3,253 | 41.1 |
2018年度 | 159,850 | 3,426 | 46.7 |
重ねて言います。児相の児童福祉司の仕事は虐待対応だけではありません。その他の対応が必要なケースを含めると、1人当たりの持ち分は100件くらいになるとも言われています。虐待相談の受持ち件数だけでも46件なんて、正気の沙汰ではない数字なのです。
…だが、しかし、です。2010年(平成22年)には児相の職員が加配・増員が必要であると考えているいう意識調査結果もあります。
https://hairo-neko.blogspot.com/2017/08/blog-post_21.html
にもかかわらず、この20年間の推移は…。1人あたりの受持件数は約4.7倍です。児童相談所を管轄する厚労省の人事の失敗は明らかです。もはや対応能力無し「無能」と評価せざるを得ないと思います。
現行の児童虐待防止体制はもう見限るべきでしょう。
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